宮沢賢治の世界02

岩手県花巻市は賢治のゆかりの地として有名で、
新花巻駅から宮沢賢治記念館、宮沢賢治童話村、イーハトーブ館と歩いていける。歩くと30分ぐらいかかるので、歩いている人は一人もいなかった。
一人で駅から道路脇の道を歩く、道や空が広いと、人は歩きたくなくなるのか。
確かに途中、店が少ない。一軒セブンイレブンがあって、あとは自動販売機すら途中にない。だが、山道でもない道。
東京なら銀ブラに代表されるように、駅から駅の間、あるいは東京駅から銀座へ向かったり、30分、一時間歩いてもすこしもおかしくない。東京では疲れたら、あるいは、目的なくとも店や喫茶店や本屋に入り、そこで終わる。
終わるというのは悪い意味かもしれない。消費される、も悪い意味。
だが、そんなことをすこしも思わないほど、東京はそんな日常に溢れている。

新花巻駅に降り立つと、肌寒さを感じる。


駅前では若い女の子がキピキャピ、銀河鉄道の夜のモニュメントの前で写真を撮っている。
近くを通ると中国語でその後も観光客は中国人が多く見受けられた。

東京はもう桜が散り、日によってはTシャツで過ごせるようになっており、季節は移っている。
まだここは外套がいる。歩くからと長袖のまま歩き始めた。

道ろっぱたには、土筆の群生、花や枯れ草、冷たい風。

歩幅はどうか。速さはどうか。
路傍には歩く人がいないのに、傑作がかかげられている。

ぼくは傑作だと思った。この子どもたち?の絵は、背景の空や草とよく似あい、
「どうかすばらしい芸術家になってほしい」と祈った。
芸術家というのは、絵を描いたり、そういう職業的な意味じゃなく。

まずは宮沢賢治童話村へ行く、

子ども一緒ならなおよかった。展示が素朴で、CGやプロジェクションマッピングなどのテクノロジーが開発される前で、外には小川が流れ、宮沢賢治の童話を抽象的にイマージュし再現したような展示で、
あらためて、宮沢賢治を真読し、深読していきたいと思った。

宮沢賢治童話村から宮沢賢治記念館へは長い階段を上る。
この階段も一人、展示場所以外はずっと一人で歩いていた。それもまた興味深く、賢治は歩く人だと思っていたから、それを見に行く人は歩かないということが現代的だと思った。若いカップルも車やバスで来ているのか。確かに地元ならむしろ車以外ないかとか、この長い階段は考え事をするにはちょうどいいぐらい長かった。

宮沢賢治記念館は撮影はできなかったが、賢治のチェロと妹トシのバイオリンが展示されていた。

賢治の興味や関わってきたことを曼荼羅のように図式化されていて、これは誰がしたことなのかわからないけど、おそらく、根拠もなく、ただ並べるよりは図式化したほうがいい思って、したのだと思うけど、

むしろ、根拠がないほうがいいし、そのほうが難しいことだと思う。

できれば、数年ごとに別の人が曼荼羅を書き換えてもいいぐらいに、図式化を流動的にしていけば、むしろ賢治的かもしれない。

次は、イーハトーブ館へ、途中の花壇は一番みたかった。

そう、『南斜花壇』にも行けた。この斜面は『養老天命反転地』を想い出す。確か、荒川修作もここに来たんだよなぁ。「よりよい世界の構築~」

宮沢賢治イーハトーブ館は展示はあまりなく映画を上映していて、一本見ることができた。

花巻を歩いたといっても、駅から展示館までの往復と宿屋「ケンチャンの家」(安くとてもいい宿だった)だけだった。

まだまだイーハトーブについては、
描ききれない。

2019年5月1日の『宮沢賢治の世界』で踊るためだけじゃなく、
もう一度、ここは訪れるだろうと予感している。

以下、宣伝です。

舞踊作家協会主催公演にお誘いいただき、ティアラこうとうで踊ります。
5月1日18時開演で1番手です。 今回のテーマは宮沢賢治で、わたくしは「春と修羅 序」を朗しながら踊り、最後、雑賀淑子先生(86歳)が琵琶を弾き「雨ニモマケズ」を詠じ、その中でオドるという内容です。 時間は前回同様、13分ぐらいです。 チケットのご予約は、わたしまで。 なお御面倒なのですが、受付で名前を言っていただき、入場して、チケット代金は終演後、わたしへ直接お渡しください。 宜しくお願い致します。
飯田晃一 以下、詳細です。

舞踊作家協会 ティアラこうとう連続公演No.204 『宮沢賢治の世界』
芸術監督 玉田弘子・雑賀淑子
日時 2019年5月1日     
開演18:00(開場17:30)
料金 一般  3000円    (全席自由)
場所 ティアラこうとう 小ホール    
〒135-0002 東京都江東区住吉2-28-36
<創る人> 飯田晃一 佐藤小夜子 玉田弘子 大谷けい子 工藤史皓 花柳かしほ 三好直美 <出演者> ※各「創る人」へ出演される方々 陽美・石川弘美・上村彩水・川上典子・桑原麻美・雑賀淑子・佐藤公哉(演奏)・古井慎也・水内宏之・水田真子 他

なお、チケットの予約はContactでご連絡ください。