『朱華会』in 飯田知子個展『花鳥風月Vol.1』             

飯田知子個展『花鳥風月Vol.1』が、2021年12月17日(金)から12月24日(金)に、ギャラリーブロッケンで開催し、終了しました。

水墨画を中心に、展示しました。

コロナ禍のなか、また師走のお忙しいなか、ご来場いただき誠にありがとうございました。
また、展覧会に伴い、二つのイベントを開催し、有意義な時間となりました。
12月23日に催された朱華会は、
朱魅さんと、今井蒼泉さんのパフォーマンスイベントでしたが、
とても不思議な、なんとも形容しがたいイベントでした。
そこをなんとか写真と言葉でお伝えします。

女性と男性といけばなという取り合わせで、
当初、わたしのイメージは、
エロスとタナトス、生物と無生物などの言葉が想起していたが、
飯田知子の水墨画の空間で表現された今回のパフォーマンスは、
アヴァンギャルドや前衛という言葉が思いもかけずにでてしまう。
もっといえば、60年代、70年代に入り込んでしまったような感覚があった。

それは、わたしが憧れて、当時、20代、30代に、
コラボレーションしたゼロ次元の加藤さんや池田龍雄さんと一緒に舞台に立った時に似て、時空がゆがむような同質の感覚となった。

冒頭、朱魅さんは、『よっちゃんと木になるネコ』の読み聞かせから始まる。
黒いドレスをはいでいき、椅子にすわり、止まる。
そこから、今井蒼泉さんとのいけばなの絡みが始まる。
蒼泉さんはサイズを合わせるように、植物を切る。
切ることのほうが、刺すことよりも特別なことように。
背中に草木を刺したら、一度、障子の後ろにはける。
障子から出て、草木を朱魅さんに刺す。
障子の後ろにはける。その繰り返し。

その間、朱魅さんの感情は見えない。
蒼泉さんは感情は見えないが意志は見える。
蒼泉さんの意志は、歩いて朱魅さんに近づく、草木を持つ、切る、刺すといった行動、あるいは、何かを『する』という意志がみえる。
朱魅さんの意志は、徹底して、ここに居ようとするだけの意志、
存在し続けようとするだけの意志が見える。

そして、蒼泉さんは、その繰り返しを終わらせる。
蒼泉さんは、薔薇を胸元から朱魅さんの目の前に差し出し、
プレゼントをするかと思わせ、
薔薇の花びらをパラパラと落として見せる。


二人の絡みは終わり、
最後に、朱魅さんは、『ぼくはいる』を読み聞かせ、
朱魅さん、今井蒼泉さん、飯田知子、3人のコラボレーションは終わった。

朱魅さんに絵本を読んでいただいたのは、
芥川龍之介著『蜘蛛の糸』のYouTubeを見たからです。

極めて普通の読み聞かせで、実際にいる目の前の子どもへ向けて、言葉と物語を読み伝えていく。

一方で、今井蒼泉さんが扱う花や草木のなかにいる女としての朱魅さんがいる。

時の流れが不思議だった。
どこか頼りにしていたリズムやストーリーがなく、
音楽がなかったせいもあるが、
ある時代に迷い込んでしまったような感覚があった。
それが60年代、70年代の芸術、その時代に入り込んでしまったような感覚。
その時代をぼくは知らないが、あの時代に憧れがあって、
おそらく、その時代に行ってみたいという願望が、その感覚を呼び起こしたのだと思うのだが、
とても心地よかったのは確かだ。

写真 飯村昭彦

朱魅(あけみ)
元ストリッパー(踊り子) 引退後の現在は 各種イベント、フロアーショー、演劇舞台、美術モデル等 演劇、芝居の時の名前は 藍朱魅(あい.あけみ)
Twitterアカウント @cook_black
Instagram(朱魅) akemi_uzuki
Instagram(藍朱魅) akemi.ai.0429

今井蒼泉 IMAI So-sen
いけばな龍生派家元教授。DJやミュージシャン、ダンサー、現代美術アーティストなどジャンルを越えてのコラボレーションによるライブパフォーマンスを始め、クラブイベントでのデコレーション、陶芸家とのインスタレーション展などの活動を展開。2008年より東京都認定大道芸資格ヘブンアーティストにいけばな分野から初の登録。劇舞踊集団「奇天烈月光団」や、詩と音楽と演劇をミックスした「プロジェクトなづき」のメンバーとしても活動。
http://www.so-sen.net/
https://www.facebook.com/ikebana.sosen/