色褪せた景色/washed out of view

この絵は 
足立区の 間借りしている 人の 顔をかいた 
本当は 優しいのだけど 苛立ちと どこか 悲しそうに見えた 
傷ついているようにみえた 

街全体が少しかなしかった そして優しかった トタンでできた家 言葉も喋れない 
丸い頭の おじさん 
宇宙人  まるで社会からの影響をうけていないような 深い目をしていた。よく、家の前に、佇んでいた。私はよくその人にインスピレーションをうけ宇宙様というへんな漫画落書きをかいていた 


パン屋さんの太った兄弟 少し知恵おくれぽい
本当に古くて 
小さな店だけど 家が一件たったみたいだった 昔ながらのクリームパンとか売っていた

目の前が製鉄所で 
汚い煙がでるんじゃないかと 間借りしてる 友人のお父さんがよく けんかをしていた みんな薬品にてをつけるのでビニールの手袋とエプロン黒い長靴をしていた
時々火花がでるような作業もしていてそういうときは鉄の仮面のようなものを頭につけていた、始終鉄を打つような音や削る音がした
そういえば 間借りしている家の 隣はフィリピンの若い奥さんがいて いつもきれいにしていた。その隣のうちは 缶の日になると 
その家の前に 置くことになっていた 
 朝早くから その家の主は働きだす 
すんでいるのかいないのか昼過ぎになると奥さんも働きだす アルミ缶を巨大に集め一山できるとリアカーにのせ汗みどろで運んでいく
表情は
なかった 
たまに家の中が みえると アルミ缶の山が見えた 

土地を持っていると 聞いたきもするが 
だいたいのひ 
リアカーをおしていた 

コインランドリーや銭湯が 二軒近くにあって  よくいった 
葬儀やさんの裏で誰が死んだだのよく墨でかかれていてスーツ姿の葬儀やの主人が動き回っていた
そんな 街だった  
間借りしているひとのお父さんは 
ひきこもり コオロギをかっていた 
あと 軍鶏 
10年以上 片付けられないみたいで 
私がきたときは ゴミ屋敷化していた 
ネズミがいた
ものが多いだけで
おじさんは
わかっていたから 
ゴミではない 
でも 私が住もうとしていた一階は 全く足場がなくものがつんであったし おじさんもうずたかく積まれたものの間に椅子をおいて 1日テレビをみていた 
10年くらい前に奥さんがいなくなり、時間が止まっていた

私は10畳くらいの板間  古いミシンが置いてあり 少し鞄づくりの道具とみかんばこがあるなかに 
冷蔵庫と 服をいれるための茶箱 それからベッドをおいて 住んでいた 

鍵は持ってなかった いつも開けっ放しだった

悲しみなんてないのかもしれない
勝手に情緒的になって
情景としてみてた 
人も 暮らしも 
失礼なはなしだけど 色褪せて はげおちてく トタンのように 
静かに 熱気の後の余韻に酔うように 
放置され あせていくことに 街 全体
暗黙の了解があったように思う

そういう自分は
真新しいもの 
キレイでピカピカしているもの ものでなくても 態度や人柄も 疲れてみたくなかった 

色あせたトタンや
痩せこけた猫
どこか寂しそうなものに 自分をおけた 

古いミシン 物置小屋だった 後に ひっそりすんでた