夢 人間 1

付き合いはじめた頃から 飯田くんは よく夢を見ていた
白いふとんと 同化したような 面持ちで
目を細くして どこからか くみあげるように こんな夢をみたと寝起きに語りだす
半分 夢の中から顔をだしたよう で
足はこの世界では ないとこに いそうだ
その夢は 超現実
現実よりも生々しさはないけど たしかな空気を心地を感じる
飯田くんは そんな空気をまとい どちらの住人かわからない ような時がある
私はあたり夢をみないので 最初の頃
夢と現実をいききするすごい人だと思っていた
その空気が好きだ
現実より 少しひんやりして
奇妙さを持っていた

しわくちゃの
ふとんの微睡みの世界が まだ手垢がついてない 神聖な世界に見えてくる

古墳の夢を見たと 探しに行ったことがある
こんもりとした円形に 小さな石がしきつめられている古墳を見た という
そんな古墳があるのかとネットで
探すと 府中 西国分寺あたりにあり
いった

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

今は新しくされていがこんもりまるい家程の丘に大理石のような白いいしが小さく丸い形で大仏の頭のようにしきつめられていて 古墳の前にドアがあり そこから中にはいることが出来た
そこで 伝説の仙人にあうとか 剣があるとかではなかったが 飯田くんの意識はその空洞とつながっているようだ

その意識 無意識をパズルのようにつなげて行けば 現実という見えている世界のリアリティーのラインの下 もっと奥に 飯田くんは何処にでもいける地図をもっているきがした
その地図はとっても未知だ

あと多いのがとんねるずのたかさんの夢で 飯田くんは柳沢しんごとしてたかさんとTVに出たりしていた

阿頼耶識(アラヤシキ)という
仏教用語がある
人間存在の根底をなす意識の流れ 経験を蓄積して個性を形成し またすべての人的活動のよりどころとなる

最近たまたま この言葉をテレビでみてしった 意識しようがしまいが たえず 意識のおくな部分は お互いによびあったりひきあったり しながらひとつづきになってるのかと思った

意識の奥になるともう誰が
私が
という主語が存在しないような
私がいったのかよばれたのか 能動も受動もないようなきがする

向こうの世界での記憶をあまり現実にまでもってこれない が向こう (あっち)も
現実(こっち)でも
飯田くん はノーボーダーで 踊っているのかもしれない

あーもうダメだ
とか 倒れて 誰かの夢に引っかかっているかもしれない
ふんどし姿
のおとこが
いたら飯田晃一かもしれない

ふんどしの男
Photo by Yoshikazu Ozawa