飯田知子の朱華会


個人的なことだが
袋が好きだ
箱が好きだ
部屋が好きだ

photo by Akihiko Iimura


きらいだが
好きだ
それは秘密をかくせるからだ
バックに使うものをしまうのではない
そのときの空気をしまうしまうにはものがいるよりしろとしてのそれらは触った瞬間に消えていく

だからそのまま
自分でもわすれるように
その鞄さえもうずもらせたい


白黒で墨絵に今回いどんだが朱華会の二人は
墨絵にその濃淡で出す世界側からきたようなふたりで
自然界と人間でいうエロスみたいなとこを日常茶飯事にいったりきたりする
師匠みたいなふたりであた

袋をあけて時間がまた流れだす
遊びがはじまる

Gopro photo

哀しみにしてゆだねる
黒をつくっている

黒子

間のひと
黒というものをおろすのにどれだけのエネルギーがいるのか?

本当にうつけしいひとにささげれもの

黒を焦がして乾かして
より黒を集めていく

稜線
枝の持つ


それらが落とす影

Gopro photo

網の布が影
移り変わる影にみえてくる
直視してはならないもの
それらが宿る時間場所を
ふすまごしに
魅せられている

覗いてるようにおもわれたが覗かされるように仕向けられた誘惑なのだ

その黒さを増す
美しさに呪われた者

自然といってしまうとそれまでなのだが野性のものだがそれ以上に影で必要にその黒さを煮詰めている後ろめたいような
いけないことをしている秘密を洩らさぬように息をしている者たち

盗す人のような美しさが二人にはあった

バラの花は花をおとした
美で
おとしたときに完成される
何事もはっさないまま
ただきょうたん
花は捧げらないことで花
の命は永遠に誰のものでもないようであり

photo by Akihiko Iimura

ばらのかなしさ
たべし

自然の死神
大地の母のようなものに捧げる花などないのかもしれないようにもみえる

二人はお互いにお互いの美しさに 遠慮するように
黒子になりあう

しかし 影にまわればまわるほど

光のなかでは
影がめだつ

photo by Akihiko Iimura

ぼくはいる
という存在をしながら
枝の稜線に消え去る
声しかない存在と
バラをかくした右手と
服のなかの暗闇は繋がっている

誰でもない置き去りにされた裸体と
名前のないイタズラが
光のなかただキラキラ光っていた

photo by Akihiko Iimura

二人の狡猾さに
私は言葉を失った

朱華会は、2021年12月23日に、
飯田知子個展『花鳥風月Vol.1』(2021年12月17日(金)から12月24日(金))において、ギャラリーブロッケンで開催したイベントです。

朱魅(あけみ)
元ストリッパー(踊り子) 引退後の現在は 各種イベント、フロアーショー、演劇舞台、美術モデル等 演劇、芝居の時の名前は 藍朱魅(あい.あけみ)
Twitterアカウント @cook_black
Instagram(朱魅) akemi_uzuki
Instagram(藍朱魅) akemi.ai.0429

今井蒼泉 IMAI So-sen
いけばな龍生派家元教授。DJやミュージシャン、ダンサー、現代美術アーティストなどジャンルを越えてのコラボレーションによるライブパフォーマンスを始め、クラブイベントでのデコレーション、陶芸家とのインスタレーション展などの活動を展開。2008年より東京都認定大道芸資格ヘブンアーティストにいけばな分野から初の登録。劇舞踊集団「奇天烈月光団」や、詩と音楽と演劇をミックスした「プロジェクトなづき」のメンバーとしても活動。
http://www.so-sen.net/
https://www.facebook.com/ikebana.sosen/